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013 同じ過去≠同じ未来

last update 최신 업데이트: 2025-12-02 11:00:45

「……」

「……」

 話題を振れない二人が同じ空間にいると、こんな微妙な空気になるのか。そう蓮司〈れんじ〉は思った。

 それが自分相手だと尚更だ。

 テーブルを挟んでうつむく二人。

 間が持たなくなると、互いに頭を掻く。

 こんな癖まで同じなんだな。

 いや、自分なんだから当然か。

 違っているのは髪形と年齢、それだけだ。

 ――何も変わってないんだな、僕は。

 蓮司は少し哀し気な笑みを浮かべた。

 * * *

 だが、いつまでもこうしている訳にはいかない。

 目の前の彼もまた、恋〈レン〉ちゃんと同じく未来の自分たちを見に来たのだ。

 少し残念な未来を。

 でもせめて、未来に少しでもいい、希望を持ってもらいたい。

 それが自分に出来る、年長者としての責務だ。

 蓮司は小さく息を吐き、落ち着いた口調で話し出した。

「君は……恋ちゃんと付き合い出したばかりの僕、そういうことでいいのかな」

「あ、はい。それで合ってると思います」

「恋ちゃんのことが、好きで好きでたまらない」

「そ……そうです……」

 耳まで赤くしてうつむく蓮に、蓮司は少し懐かしさを感じた。

 今の自分は彼と比べて、世の理〈ことわり〉を多く知っている。

 この10年で、彼の知らない経験をたくさんしてきた。人とも多く関わってきた。

 彼に比べると、自分は10年分視野を広く持っていると言っていい。

 * * *

 人生というものを、自分は高層マンションに例えてきた。

 生まれてから毎年、一階ずつ上に登っていく。

 若い頃はよく、大人のことを臆病だと思っていた。

 辛いことや理不尽な出来事に背を向けて、笑みを浮かべて自分を誤魔化し、流され
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